十二指腸潰瘍とは？
十二指腸潰瘍は、食物が体を通過する過程の一部である十二指腸の粘膜が深く傷ついた病態です。
この潰瘍の主な原因は、胃酸による粘膜の損傷で、主な症状には上腹部の痛みや出血があります。
潰瘍が深くなると十二指腸に穴が開くことや腹膜炎を引き起こすことがあります。
十二指腸潰瘍の症状チェック
十二指腸潰瘍の症状には以下のようなものがあります。
特に、十二指腸潰瘍からの出血がある場合には、吐血やタール便といった症状の出現や便潜血検査で陽性になることもあります。
胸やけ・胃もたれ- げっぷ
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- みぞおちの痛み（特に空腹時・早朝）
- 体重減少
- 便潜血検査陽性
- 吐血
- タール便
気になる症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。
十二指腸潰瘍で背中や
腰が痛む？
十二指腸潰瘍が原因で背中や腰の痛みを感じることがあります。
この痛みは十二指腸が存在する場所ではなく、他の場所に感じるため十二指腸潰瘍に気づきにくく、患者様は骨や筋肉の問題と誤解し、整形外科を受診することが多いです。
そして、整形外科では原因が特定されず、痛み止めの処方を受けるだけになることがあります。
この結果、痛み止めにより炎症を悪化させる可能性や適切な治療が遅れることになります。
十二指腸潰瘍の原因は
ストレス？
十二指腸潰瘍が生じる原因には、以下のような要因が挙げられます。
ストレス
ストレスは十二指腸潰瘍を誘発する要因の一つとされています。
長期間にわたる過度なストレスは自律神経の乱れや血流不良を引き起こし、これが潰瘍形成につながる可能性があります。
ただし、ストレスが単独で潰瘍を引き起こすわけではなく、他の要素と組み合わさることで潰瘍のリスクが高まることが指摘されています。
ヘリコバクター・
ピロリ菌
胃内に生息する細菌であるヘリコバクター・ピロリ菌は、十二指腸潰瘍の主要な原因とされる細菌で、十二指腸潰瘍を罹患した90％以上の方に感染が見られたというデータがあるほどです。
この菌は胃内に生息し、十二指腸潰瘍の発症に深く関与していることが広く認められています。
非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）
NSAIDsは一般的に消炎鎮痛・解熱に使用される薬で、多くの人が使用する可能性があります。
これらの薬は短期間の使用では通常安全ですが、長期間にわたる使用は十二指腸潰瘍のリスクを高めることが知られています。
薬を口から摂取する場合も坐薬として使用する場合も同様のリスクがあります。
十二指腸潰瘍の検査について
十二指腸潰瘍の診断には以下の二つの検査方法が主に用いられます。
胃カメラ検査
胃カメラ検査では、内視鏡を使って直接十二指腸の状態を観察し、潰瘍があるか、潰瘍の具体的な位置や状態を確認します。
この検査を通じてヘリコバクター・ピロリ菌の感染の兆候も見ることができます。
治療方法
十二指腸潰瘍は、多くの場合、4～6週間の制酸剤の内服によって改善します。
制酸剤は胃酸の分泌を抑え、潰瘍の治癒を促進します。また、制酸剤のほかに、粘膜を保護する薬もしばしば使用されます。
十二指腸の粘膜を守り、潰瘍の治癒を助けます。
十二指腸潰瘍の発生には、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が大きく関与しています。
ピロリ菌の持続感染は、潰瘍の再発率や胃がんのリスクを高めるため、ピロリ菌感染が確認された場合は、除菌治療が推奨されます。
これらの治療方法により、十二指腸潰瘍の多くは効果的に治療することが可能です。